発想が良くて、
工夫があって、出しゃばらず、出し惜しみなく、シャレていて、バランスよく無駄のない舞台。それでいて出演者それぞれの個性が際立っている。もう、カミュの「異邦人」なんてどうでもいい(おいおい!)くらい、美しく素晴らしい舞台でした。あの出演陣で片桐はいりさんが、どう溶けこむのかと思っていましたが、存在感が光り、その光で他の出演者たちの影が一層くっきりするような感じ。物語が呼吸するための酸素を与えるような、まさに欠かせない存在になっていました(少しセリフの聞きづらいところはあったけど)。ステージの上も、観客席も、同様に幸福な空間だったのではないでしょうか……。