リア!リア!リア! 公演情報 劇団Q+「リア!リア!リア!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/06/06 (金) 14:00

    座席1階

    何となくイタリアっぽい感じもしたが、特定の国での話ではないのだろう。連日の嵐で国土を守るための工事が難航している。その工事に従事している夫を待ちながら、主人公のマリアは妹たちと家庭を守っている。そこに、次々と闖入者が訪れ、マリアの心を掻き乱していく。何か欧米の作家による原作があるのかと思ったら、座付き作家の弓月玲のオリジナル脚本だという。まず、そこに感動する。

    冒頭に出てくるのは、マリアの心象風景であるバラの花の妖精たちだ。王様の庭にそれぞれ別の色で咲いてどれが一番美しいかを競っている、という。この妖精たちは舞台回しの役を担い、随所に登場する。客席に配られたパンフレットの相関図を見ておかないと、分かりにくいかもしれない。
    マリアは絵本作家で、その夫(舞台には登場しない)はストーリー作家。夫婦で絵本を世に出している家庭を悲劇が襲う。大きく展開するのは舞台の後半で、見どころは最終盤にあるマリアの独壇場だ。

    マリアを演じる佐乃美千子は、プロフィールを見ると東京外大でヒンディー語を専攻したという才媛だ。燐光群にも所属したことがあるという。今作では、家庭にズカズカと入ってくる素性不明の客を感情を抑えて迎え入れる様子をしっかりと演じている。その背景にあるのは、愛する夫を待ち続ける心。難しい役回りを淡々とこなす、実力のある俳優だと思った。

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