砂と兵隊/Sables & Soldats 公演情報 青年団「砂と兵隊/Sables & Soldats」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    コメディかと思ったほど面白い!
    他の方も書かれているようにセットが圧巻!
    砂、砂、砂一面で、いかにも砂丘のように盛り上げている。上から吊るされた砂袋から砂時計のように落ちる一筋の砂。
    これは一筋縄ではいかない物語をホーフツとさせる。笑

    全体的に浮かび上がってくる情景はイラクではなくフランス的なのだ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    砂丘の山から兵隊がやってくる。この段階で顔が緩む。見慣れた青年団の面々が、登場しただけで嬉しくて仕方がないのに、彼らはまったくの緊張感ゼロでもって歩腹前進してやってくるのだ。西川兵士こと石橋亜希子ほど和むキャラクターはいないと思っているのに兵士なのだ。笑

    彼らはのんびり~と家族の話なんかしちゃってる。なんやら砂場に遊びに来たような風景だ。そしてまた歩腹前進するのみ。そんな中、白いビーズのバッグに白い傘をさして貴婦人のようなドレスを着た榊原という狂った女が第六連帯にいる夫を探しに来る。しかし探す当てのない夫なのだ。

    かと思うと新婚夫婦にも出会う。なんだか星の王子様のような風景だ。笑)  そして妻(母)を探しに来たという家族たちにも。

    彼ら全員が砂漠で誰かをいつも探しているのだ。この風景が延々と続くのだが、こんな代わり映えのない状況の中で、新婚の軍事憲章ヲタの妻に西川は憲章を盗られてしまう。現役兵士の間抜けっぷりや、はなから戦う気のない敵兵の登場がとにかく可笑しい。「熊避けに鈴を鳴らす」というけれど、敵兵は敵避けに銃声を録音し流しているのだ。笑

    新婚夫婦の夫が敵兵に謝って射殺され、妻は味方の兵士を探して「戦いなさいよ!」と絶叫しても、無関心げに「私たちの任務は戦うことではなく行軍することなんで、すみません。」とのたまうところは、やっぱり不条理劇なのでした。

    この戦争で敵兵と一度も会ったことがないという兵士ら。進む先がない、何処にも行く当てのない行軍を続けるだけのアニメな世界感。

    すっごく面白かった。こういった不条理劇は好みなのと、輪郭のない不条理さが絶品でした。

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    2010/10/05 18:16

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