公演情報
Uncle Cinnamon「熱海殺人事件」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
"一流の" 犯人として仕立て上げていく・・どうして一流にするのかが この戯曲の肝。今まで観てきた「熱海殺人事件」の視点(人間の尊厳をかけた戦い)とは異なり、敢えて表層的に”愛情”を中心に据えた、いわゆる痴情のもつれを原因にしたように思えた。どちらかと言えば、木村伝兵衛部長刑事の諸々のハラスメントを通して、(現代)組織と人間関係の奇妙で面白い構図を観せたかったような。
今の時代ではNGワードばかりであるが、そこに生身の本音が透けて見える。建前と本音の探り合いを経て、本音と本音のぶつかり合いの中に人間(信頼)関係が構築される。事件の奥にある差別や偏見といった、今でも色褪せないテーマが薄まっているが それでも面白い。部長刑事部屋という 狭い空間で織りなす人間模様を生き活きと描き、それを生歌あり楽器演奏ありと楽しませる。
少しネタバレするが、犯人 大山金太郎は客席通路を歌いながら、時に観客と握手をしたりして登場。全体的に楽しませて観(魅)せるといったサービス精神旺盛な公演。そして定番である大音量の音楽や多彩な照明の諧調など印象付けが巧い。大音と言えば 大山金太郎が、この劇は大声だけが取り柄といった台詞があるが、苦笑、失笑も含め笑いの多い公演でもある。
(上演時間2時間10分 休憩なし) 追記予定