実演鑑賞
満足度★★★★
派手なことは起こったりはしない。人里離れた洋館で起こった身内間の殺人事件。そこに紛れ込んだサスペンスのテンプレートまんまの刑事二人。淡々と進む会話に殺人事件そのものよりも家族の関係性の方が際立ち、そしてそれこそが真相。
なんともね、なんともいえぬ気持ちにのりました。大切な人の願いなら叶えてやりたいと思うではないですか。それがどんなことであれ。叶えてあげられた者、叶えてあげられなかった代替えを差し出す者。その行動の先にある事も丸ごと身に受ける覚悟で。否定なんて出来ない。
なんともいえぬ虚無感を感じなが、時代設定は太平洋戦争激化目前。今ここに残って生きていこうとしてる人達も、何人か生き残れるのだろうか…と、ラストシーンを見ながら思っていたのに。カテコの軽やかな、なんなら飛び跳ねながら出てくる姿に、包まれてた暗雲をほっこり吹き飛ばされるようでしたw
白井さんのね、泣きの芝居が絶品だったのです。圧強めな姉妹にサンドウィッチされて穏やかに静かにしてた人だったからこそ。そんなとき、そんな状況なら、人はそんな泣き方になるのだという。ゲートキーパーとは真逆の立場になるの観るという複雑な気持ちも味わいつつ。