実演鑑賞
満足度★★★
劇団として一貫してテーマがあるのは気持ちが迷子にならなくて良いなぁって。またそれも劇団というかたちを継続する魅力のひとつ。作風としてはこれまでみた作品とはまた異なっていて。これからも継続して観に行くのがワクワクします。
前説にて今回はコメディ…とのことだったのですが。それがもはや振りな程にガツンときたし、しんみりもしちゃいました。地球も人類もおかしくなってしまった近未来のマッドサイエンティストSF。でも舞台は寂れた日本料理店。
個人的には昨今のAI技術の発展には危機感を覚えてます。おもしろそー便利そーすげーなんて、とても思えない。恐ろしさしか感じない。ニンゲンが人間である意味を喪失してゆく、大衆が危機感薄く乗っかってゆく大きなうねり。滅亡の始まりのようにさえ。
そんな中で。人の創り出す芸術に光が見えるように思える。そうあればいいと思う。観ながらそう思えて。科学の発展と地球の未来、そこに生きる人間の変わらぬ心を観ました。濃いお芝居でした。笑いの面に関しては…わたしにはちょいシュールでしたが笑
個人的には、刹那のバカンスは大好きなステージタイガー池治くんのもうひとつのおうちなわけですが。その池治くんよ。びっくりしたよね。いつもの洒落た髪型から一変、坊主だったよね。年齢10歳は上乗せされるくらいの貫禄と芝居の安定感。役柄の幅の広さを浴びました。