エゴ・サーチ 公演情報 虚構の劇団「エゴ・サーチ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ストーリーの収束が巧み
    笑いをまぶしつつ、観客を飽きさせない演出は、やはりうまい。

    役者たちは若々しく、その勢いに溢れていた。

    ネタバレBOX

    いくつかのストーリーが並列し、それが1本に収束していくのだろう、ということは、観客の誰もが予測しているはずだが、それを「気持ち上回る展開」にしていく様は「さすがっ!」と声が出るほど。

    特に、小説の主人公だったはずの女性が、その著者の前に現れるところにそれを感じた。
    女性が現れる、その前提に、ガシュマルの木の妖精が出てくるという「作り話」的な部分があるので、女性の登場は、小説からキャラクターが現実に染み出してきたのだと、観客は受け取るのだが、実はそうではなく、それを逆手にとるあたりは巧みだ。そして、その女性が結局何であったのか、のあたりまでの展開もうまい。

    全編、各エピソードにそんな仕掛けがあり、そこに細かい伏線が張ってありつつ、それを細かく拾っていくのは見事。

    インターネットについては、特別、新しい視点はないものの、物語への取り入れ方や、twitter、mixi、2ch、youtube、 Ustreamなどにも軽く触れていくセンスもいい。

    役者は、全体的に若々しく、元気が溢れていた、というより、溢れすぎていて、一本調子になりがちだったような気もする。
    ただ、その初々しさはとてもいい。

    演出は、観客を飽きさせない術をよく知っているだけに、折り返しのところで、無理矢理のダンスを入れたり、客席の通路を役者が通ったり、客いじりがあったりと、まったく飽きさせることはなかった(少々ベタな感じもあるが・笑)。

    そして、いいタイミングで笑いも入る。


    当パンに挟み込まれていた鴻上さん手書きのコピーのようなプリントの内容は、センチメンタリズムに溢れていて、舞台でのイメージをちょっとだけ、さらにプラスした。

    0

    2010/09/16 08:09

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大