沖縄戦と琉球泡盛 公演情報 燐光群「沖縄戦と琉球泡盛」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/12/02 (月) 14:00

    座席1階

    上野俊彦氏の著書「沖縄戦と琉球泡盛――百年古酒の誓い」をベースに組み立てられた戯曲。100年、200年と寝かせることもある古酒を守るには、平和でなければならない、というお話だ。鉄の暴風とも呼ばれた沖縄戦で、100年を超えて守り抜かれてきた古酒は破壊されてしまったからだ。

    物語では、戦後焼け跡に残ったわずかなこうじ菌を元に泡盛を再建していくというエピソードも語られるほか、与那国島など沖縄の離島で泡盛を扱う男性の話など、前向きで希望が持てる話がつなぎ合わされている。戦争に「絶望」という文字が似合うとすれば、平和には「希望」がぴったりである。

    燐光群のいつものスタイルが貫かれている舞台だ。タイトルにある「沖縄戦」というかつてのできごとよりも、自衛隊の南西展開、日米の軍事協力・一体化という近年の出来事やトレンドに真正面から意義や不安を申し立てるせりふが続く。少し手を広げすぎではないかというくらい、客席に対してのレクチャーが行われる。
    冒頭から舞台にしつらえらている、3本の色違いの筒が何を意味するかが劇の後段で明かされる。それ以外にも、泡盛の造り方や、泡盛の元になる長粒米はすべて輸入で、どの酒蔵も分配を受けて同じものを使っているなどというトリビアもあっておもしろい。

    長期間寝かせて味わうお酒がテーマなので、酒造りの土台として平和は欠かせないという劇の骨格は最初から明白であり、サプライズという楽しみはない。それも愚直な燐光群らしいと言えるのかもしれない。

    ネタバレBOX

    少し気になったのは、午後2時の回に空席が目立ったことだ。
    いつもながら高齢の客が多い中で比較的若い女性の姿も目立っていたので、そういう面では安心材料なのだが。

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    2024/12/02 20:16

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