実演鑑賞
満足度★★★
説明の「男も及ばぬ大力無双 毘沙門天の化身と言われる上杉謙信。その名を歴史に残した武将。史実に謎を残した男」から、何となく<ウソの歴史>の想像がつく。この設定は 根強く囁かれており、他の謙信を扱った舞台でも観たことがある。
本作は、戦国時代らしく影武者という存在を絡めることによって、心の深淵を覗き込むような深みを持たせている。特に中盤から終盤にかけての謙信と影武者、夫々の葛藤を激白する場面は面白い。それだけに前半の緩い冗長のような場面が惜しい。前半の柔らかさと後半の硬さ、その落差というかギャップで印象付けようとしたのだろうか。
スピード感ある殺陣、それを効果的に観(魅)せる照明、迫力を煽るような音響音楽は好かった。
タイトルは、現代的な問題も潜ませており興味深かった。戦国時代という生き残りをかけた修羅の時代、翻って 今は剣からペンへ、さらにインターネットという目に見えない武器を駆使して勝者となる。そこに風評という魔物が…。
(上演時間2時間5分 途中休憩なし)