実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/11/24 (日) 14:00
座席1階
うずめ劇場のペーター・ゲスナーなどが指導をしている演劇専攻の短大生らによる公演。今作はメメントCの嶽本あゆ美が上演台本や演出・指導を担当。学生演劇らしい荒っぽさはあったが、完成度は高い。ほぼ全編、楽曲によるストーリー展開で「躍動感」という言葉がぴったりの役者の動き、ダンスなどは見応えがあった。
妾の子として生まれたことで負い目を感じながら生きてきたエヴァは、ブエノスアイレスに出て女優となり、次々に愛人を替えてのし上がっていく。最後は大統領夫人になり、そのカリスマ性から国政に関与していく。
革命家のチェ・ゲバラを狂言回しに舞台は進行する。この役を務めた学生はもう少し声量があるとすっきりと聞けたのだが、悪くはない。歌唱力の凹凸があるのは学生演劇だから仕方がないが、合唱に関してはとてもきれいで、澄んだ旋律を響かせた。
また、時折打楽器などによる生演奏で舞台をリードしたのはすばらしかった。特に、ドラムスやベース、ピアニカなどで曲が披露されたのはよかったと思う。舞台美術は手作り感があふれていたが、パペットなども活用。衣装はなかなかのもので、特にウエディングドレスのエヴァが舞台上で次の衣装に変身していくのには少し驚いた。嶽本さんのアイデアなのだろうか。
短大であるためかもしれないが、女性の方が圧倒的に多い。そのため、軍人など男性役も比較的背の高い女性が演じていたが、よく鍛えられている。違和感はまったくなかった。特に、主役のエビータを演じた学生は見事だった。選ばれるべくしてこの座をつかんだに違いない。将来、ミュージカル女優として羽ばたいてくれたらすばらしいと思う。