実演鑑賞
国内で生のフラメンコを観るのは初めてだ。迫力あるダンスを9演目、いやカーテンコール後もサービス舞踊があり楽しませてくれた。特に音楽(カンテ・フラメンコ)が素晴らしい。スペインで観た時はBARのような狭い店の限られたスペースでのダンス、しかも移動日 当夜ということもあり睡魔との闘いだった。
本公演は、邦訳「民族の記憶」とあり、フラメンコの扉から人間の原郷を旅する作品らしい。フラメンコの技術的なことは分らないが、9演目は単独や群舞そして全員という見た目の違いだけではなく、ダンス自体の表現の多様・多彩性に魅力を感じた。当日パンフには「18世紀後半にこの世に生まれたフラメンコは、その形成においてスペイン古来の民謡・・・イスラム教支配における宗教音楽など、様々な文化の影響」とあり、その地域や伝統等が息衝いていると。
フラメンコは時代や地域の影響を受けながら構成されているよう。フラメンコの基本的な動きや表現を保持しつつ、伝統的な形式と現代的なリズム、調子、形式などの組み合わせを模索しているように受け止めた。それが「過去に、彼らの伝統と日本人である我らの芸術を掛け合わせ」とあり、その一端が垣間見えたような気がした。
次回公演も楽しみにしております。