北守の騎士とカルボナードの踊る魔女 公演情報 青果鹿「北守の騎士とカルボナードの踊る魔女」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    どんどん宮沢賢治のお話が放り込まれる
    ストーリーも広げていく。
    結果、世界が膨張して長くなってしまった、という印象。

    残念ながら120分が長く感じた。

    ネタバレBOX

    この劇団は、宮沢賢治がお得意らしい。だからどんどん物語に宮沢賢治の話を盛り込んでいく。
    そして、登場人物が増えるごとに、宮沢賢治ワールドを軸に、さらに物語を広げていく。
    そういうテイストは、面白いと思う。うまい具合に盛り込んでいくからだ。
    しかし、面白みはあるものの、やりすぎではないか、と思い始めてもくる。
    登場人物ごとに関係性を持たせたり、エピソードを重ねていくので、結果、全体が長くなる。というか、長く感じてくる。

    そして、焦点がぼけるてくるのだ。

    まず、誰が軸なのかがはっきりしない。
    いろんな登場人物に、作・演が感情移入しているからだろう。
    それは、もちろんいいのだが、観客にそれをそのまま見せてしまっても、こちらは消化不良になってしまう。

    当然、ブドリが軸にあり、彼が妹の手を離したときに、貝の火を失い、視力を失う、ということから、本当の物語が始まり、それへの回答が物語のすべてになっていくのだろうが、その彼の物語が浮かび上がってこないのだ。

    だから、ブドリと妹の関係が見えてこないし、なぜ妹が兄を赦さなかったのかがわからない。また、ブドリを追って火山に行ったアネルの意図もわからない。あっさりとブドリが火口に向かうことを認めてしまうし。
    どうも、いろいろな関係がしっくりこなかった。

    登場人物が多すぎるということもあるのだろう。サーカス団の女性たちは、賑やかなのだが、例えば、サーカスで何をしているのかがわからないし(黒子のようなひことはしていが)、いなくても成立したように思える。

    そいういう、このキャラクターは必要があるのか? と思わせてしまうところが、長く感じてしまったことにつながっていると思う。

    もう少し整理して提供してほしいと思った。

    歌は楽しいと思ったのだが、「長いな」と思ってからのチェッカーズには、ちょっとイラっとした。教授にも歌わせることで、面白くしたいのだろうが、面白くなかったし。

    また、衣装が、着物からカンフー的なものまでいろいろあったのが、どうも木に竹の印象しかしなかった。

    役者としては、ブドリが熱演だったが、それが活かされてなかったような。また、ソンバーユーの存在には面白さがあった。
    三兄弟の設定は面白く、彼女たちも熱演であったし、本来ならば、いい感じで狂言回しとなるはずなのだが、そうはなっていなかった。
    また、男爵とTVのプロデューサーは、キャラの表現に細かいところまで気を配っていたが、味付けが濃すぎて(主張が強すぎか?)全体の雰囲気と合っていなかったように思える。彼のエピソードも盛り込みすぎだし。こういう役者ならば、もっと演出や設定によって、うまい活かし方があったのではないかと思うと残念だ。

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    2010/09/06 05:45

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  • きゃるさん

    コメントありがとうございます。

    返信は、きゃるさんのほうに書かせていただきますね。

    2010/09/07 05:48

    アキラさま

    まったく同感と思いつつ、読ませていただきました。
    なるほど焦点がぼけ、誰が主軸なのかわかりにくかったですね。
    ブドリ、ネリ、火山局長の関係があいまいになった感があって、それぞれブツ切になってしまったというか。
    澤藤さんは岩手出身ということもあり、賢治への思い入れが強いのかもしれませんが。
    あれもこれもエピソードを入れすぎた結果、2時間になったものの、中身は薄まってしまったのは残念だと思いました。いつもより大きな劇場で気負いも出たのかもしれません。
    「マカロニほうれん荘」のところでも、アキラさんのレビューに同感でしたが(笑)。

    2010/09/06 09:50

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