実演鑑賞
満足度★★★★
フカ小説の舞台化などしてきた延長戦上にある今回のブルーノ・シュルツ
ポーランドのユダヤ系作家・画家でホロコースト犠牲者であるが、カフカの翻訳もしているから、「変身」などに雰囲気は似ているが、より退廃的であり、エロティックな雰囲気も色濃い
その短編小説6つを選んだオムニバス
最初の「年金暮らし」以外は話が連続していてわかりやすい
その「年金暮らし」はなんか身につまされるところがあった
退職したシムチオが年金をもらいついでに昔の職場で元の仲間とお喋りするのを楽しみにしていたのを、新課長に追い出され、小学校に入れてもらって子どもたちと楽しんでいたが・・・
あとの5話は脈絡はあるがよりシュール
お父さんは世界中の鳥の卵を集めて孵化してどうにもならなくなったり、ついにはザリガニになったり、死んだはずの後は息子にサナトリウムに探しに来られたり
お父さん役の榎本純朗がベテランらしい演技、息子の小谷真一も
若手の中嶋真由佳、松下美波、山本燿らは無表情の表情が印象的だったが、下着姿にもなっての快演
要は画家としてのシュルツが描いた「絵画」だったのかな
最初は皆で記念写真を撮るところで始まり、最後は退廃的な三幅の絵を形作って終わる(かなりの時間よく皆微動だにせずにいられるなと感心)
哀愁を帯びた音楽が印象的だった