実演鑑賞
満足度★★★★★
ゲーム開発メーカーを舞台に、AIやVRなど現代の最先端の話題を存分に盛り込み、まるで新作である。心理学の分析やら、2・5次元病やら情報量が凄い。それを早口にまくしたて、次々に話題が変わっていく。そこにもう一つ、「ゴドーを待ちながら」がオマージュされて織り込まれる。このゴドーシーンは、二人が遊ぶ小道具が面白い。ドッジボールでボールがどんどん大きくなって行ったり、フラフープも巨大化し、ダーツ投げは客席にまで。これならゴドーもばかばかしいコメディとして笑える。
ダジャレも見事だし、コントの連続のような作り、一瞬すべてが精神病院の治療劇のようにどんでん返しするのは「日本人のへそ」のよう。また流行歌を織り込んだり、セリフを早口にまくしたてるのは、つかこうへいに似ているところもある。若さと才能の輝きを失わず、長いキャリアでさらに磨かれた、見事な処女作の再生だった。