『エリザベート』-愛と死の輪舞(ロンド)- 公演情報 宝塚歌劇団「『エリザベート』-愛と死の輪舞(ロンド)-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ザッツ!タカラズカ
    今、最もチケットの取りづらい公演の一つの
    「エリザベート」、常に日本語公演を打てば完売御礼の
    作品、10年以上も上演していても、動員力に衰える気配のない
    作品だけど、タモリはタイトルさえも知らない
    「エリザベート」、同じ人が見に行くから観客の裾野は
    広がっていないんでしょうか。
    作品自体は、歴史ロマンではありますが、
    いわば嫁姑ものであり女の一代記、
    「華岡青州の妻」「放浪記」といった馴染みやすい作品。
    僕は周りの人に「忠臣蔵みたいに誰がやっても
    客が入る作品」と乱暴に言ってます(笑)。

    通算10回以上、観劇していると思われる「エリザベート」
    うち宝塚は初演のまり様と一路、まり様と姿月、彩輝なお、と今回で
    4回目。前回が本家と言われるウィーン版と、
    様々な角度、切り口で繰り広げられている中で
    今回の公演は、最も宝塚らしい、作品と言えると思います。

    宝塚は、宝塚であって、
    ミュージカルでもなければストリートプレイでもなく
    「タカラズカ」というジャンルの作品、言わば歌舞伎と一緒。
    芝居が上手いよりも、歌が上手いよりも、ダンスが上手いよりも
    「タカラズカ」らしさが伝わらなければ、
    それは作品として失敗と思って観るべき、と思うと
    十分に堪能、陶酔に値できると思います。
    そう、役にはまるのではなく、あくまでもトップスター
    水夏希の良さが前面に出なくてはいけない。
    タカラズカの不文律や様式が損なわれたら、その段階で
    「宝塚歌劇」じゃなくなってしまいますよね。

    「水夏希」って「日出郎」に似ているなぁと思いながらも(汗)
    流し目や、優雅なマントの翻し方を見ていれば
    「それだけを楽しめば、いい」と痛感しました。
    ほかの事を期待しては、いけません。
    これは「タカラズカ」なのですから。
    トップスターの個性を楽しむ作品なのです。
    まぁトート自体、両性具有というか、性別を限定する役柄ではないので
    その意味では、水夏希は、合ってます。

    まり様の「エリザベート」はタカラズカもミュージカル女優をも
    超越した、それはそれは素晴らしいエリザベート像でした。
    東宝版、ウィーン版を含め
    全てのバージョンの中でも卓越した作品に格が上がっておりましたが
    それによってトップさんが全く影の薄い、他の演出や
    場面が影に潜んでしまい印象に残らない、
    ある意味「タカラズカ」としては反則技ではありました。
    そう、まるで、まり様の一人芝居。
    あの時は、湖月わたる、朝海ひかる、和央ようかって
    今思えば豪華なキャストだったにもかかわらず。
    その分、今回はとても新鮮に
    「エリザベート in タカラズカ」を楽しめたと思います。

    今回は、2階最後列からの観劇でしたので
    60名を超える舞台上のタカラジェンヌ達の華やかな演舞を
    楽しむ事が出来ました。
    「人数が多いと、それだけで迫力になるよなぁ」と
    お約束のフィナーレでの
    敷居の低い親近感溢れる大衆演劇レビューを
    喜びながら、劇場を後にしました。




    ネタバレBOX

    個人的な印象ですが
    水夏希は歌がメチャメチャ下手、笑ってしまう位、下手。
    トップが、こんなんでいいのか!と思いつつも
    マイペースに優雅な舞を堪能。
    逆に、いけないのは娘役の白羽ゆり。
    熱演はいいんだけど、カラ回り。
    タカラズカと解釈せずに、本格女優ぶっているように見える演じ方は
    鼻についてイライラしました。
    アイーダの秋夢子同様、自分に酔っている、自己満足している
    芝居には、シラけました。

    夏休みという事で、隣の席は女子高生、
    開演前、「もの凄く楽しみにしていてきた」、ような会話をしており
    お行儀よく観劇しておりましたが
    「わけわからない」って幕間、終演時に話しておりました。
    確かに、初めて観る人、ましてや観劇なれしてない人には
    訳わかんないよなぁ。
    東宝版は3時間15分も上演時間ある作品を
    タカラズカは正味2時間強、
    そう「エリザベート、ハイライト」「エリザベート、ダイジェスト」
    っぽい構成にはなってますし
    女子高生には難しいよなぁ。
    夏の思い出作りの観劇には
    「ライオンキング」「キャッツ」あたりに行ったほうがいいよって
    言いたくなりましたが、そんな訳にもいかず(笑)
    レミゼとエリザは演劇、ミュージカル初心者の人を
    僕は連れて行きません!!!

    0

    2007/08/01 17:38

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大