神[GOTT] 公演情報 ワンツーワークス「神[GOTT]」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    ワンツーと言えば古城氏のオリジナル、時々ドキュメンタリーシアター、という性格づけがいつしか海外戯曲もやる劇団となり、初が一昨年の「アプロプリエイト -ラファイエット家の父の残像」、前回の「アメリカの怒れる父」そして今回と3作を観た。今作「神」はパルテノン多摩の秋・リーディング公演の情報で興味を惹かれていた。とは言え、ワンツーの海外戯曲を二本観て来て、ある程度の想像が出来てしまう所があり、若干腰が重かったが、やはりシーラッハ作品という所で(小説でなく戯曲を書いた事に興味)背中を押されて出掛けた。

    「読めてしまう」、と不遜な意見を書いたが、「アプロ・・」と「怒れる父」は劇的展開に注視を余儀なくされる戯曲で、笑いはほぼなく、赤裸々な感情吐露がある(「アプロ」では関谷美香子の母役、「怒れる父」では奥村洋治の父役が中心の役どころとなる)。その部分で、戯曲が想定する人物の「状態」に肉薄はしつつももう一歩な余地を残していた。それは所謂「劇的」の創出、そこに人物のテンションの高さ(声量や感情の強さといった)が呼応する事を優先し、緻密な意味での「人間の状態、心情」が結果的に捨象される(観客の想像に委ねる)作りが、「読める」という意味。ワンツーの芝居の安定的なクオリティと裏表の関係でもある、と推察しているが、それが海外戯曲二作に受けた印象だった。
    今作。戯曲の意図を体現した、優れた舞台となっていた。
    人物の感情はゼロではないが、求められるのは「主張」の信憑性に関わる感情の演技。
    ネタバレすれば、「安楽死に対する医師の援助」を求める80代の男性の要求をきっかけに開催された倫理委員会による討論が、全編通しての時間だ。
    法律、医療、宗教の分野から呼ばれた参考人に対し、安楽死擁護の弁護士、それとは距離を置く倫理委員会委員が尋問を行なう。討論会を仕切る委員長が観客に向かって討論の趣旨と手順、投票等について説明する。物々しい導入で、まずは申請者であるゲルトナーの証言から本論に入る。

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    2024/08/03 17:21

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