劇団帰燕旗揚げプレ公演第2弾朗読劇『ひまわり』 公演情報 劇団帰燕「劇団帰燕旗揚げプレ公演第2弾朗読劇『ひまわり』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    台本を持った朗読劇であるが、演技という動作も加わる。物語は説明にある人物、そして座敷童子やヤクザも登場するが、その正体というか設定が妙。その奇知に驚かされ、滋味深い描き方に唸らされた。愛すべき人々が住んでいるシェアハウス「ひまわり」、そこで起きる不思議な出来事、秘密めいているのは 人生模様そのものである。

    少し気になるのは、全員ではないが 言い間違えを防ぐためだろうか(台本の)台詞を指でなぞり読み、若しくは そう観える(教育的な指読とは違う)。感情を込めた演技をしようとしているが、目線が台本にある。
    (上演時間1時間40分 休憩なし) 【Aチーム】
    *本公演はネタバレすると驚きというか興味が失せてしまうため後日追記⇒8.8追記。

    ネタバレBOX

    舞台美術は中央奥にベンチとテーブル、傍に丸椅子が1つ とシンプル。朗読劇であるがアクションリーディングであり、ある程度のスペースを確保したかったようだ。

    説明にもあるが、シェアハウス「ひまわり」には女優・漫画家・大学生そして郵便局員といった様々な女性たちが住んでいた。そして座敷童子まで登場する奇妙なところ。そしてヤクザまで来て立ち退きを迫るが、逃げ出すことも出来ず右往左往する。物語は、シェアハウスの管理人がストーリーテラーのような役割を担い、住人の性格・職業・立場等とハウスが置かれている状況を説明していく。

    物語は時間軸を曖昧にすることで、過去と現在の状況を暈かす。若かりし頃の生き活きとした情景、そして歳月を経た今を対比して表(朗読)す。慣れ親しんだ場所(ハウス)から出ることも出来ず、新たな行(転居)先もない。かと言って経営難に陥ったハウスに居続けることも出来ず…。劇団員が彼氏という女性と その劇団のベテラン女優との確執、売れない漫画家、平々凡々と暮らす郵便局員、そして経済学部に在籍している女子大生。それらは過去、今は年老いて郵便局員は認知症を患っている。活力ある朗読から枯葉のような、その状況(設定)変化は見事。

    若い頃、郵便局員は職場の上司と不倫をし生んだのが管理人。脳に腫瘍ができ認知(症)が進行しているが手術は難しいと。座敷童子は漫画家の描く登場キャラ と若い頃に散りばめた伏線を回収していく。現実には、借金の取り立てにヤクザが来て脅す日々。個性豊かな人物たち、その刺激的な会話や日常生活は、主人公メイ(女子高生)が見失っていた事を少しづつ気づかせてくれた。

    老人ホームではなく、シェアハウスという設定が妙。制度的な縛りを無くし、気ままに過ごせる場所としての自由度を広げる。昔ながらの仲間、その酸いも甘いも知り尽くしたという人間関係。その長き年月には、時に ぶつかり合うが皆 心優しい。このシェアハウスの先行きは、ラストの処理如何ではハッピーエンドにもアンパッピーエンドにも出来るという優れもの。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2024/08/02 00:46

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