満足度★★★★
劇中劇「奇跡の人」はまさに演劇賞もの
たまたま、大和田美帆さんの、まだ素人じみた初舞台を一緒に観た友人との観劇だったので、二人で、大和田さんの女優としての進化に度肝を抜かれ、お世辞ではなく、マヤと、大和田さんが、私達の中で、一体化する舞台でした。
新納さんもまたこの友人と、初舞台から観ているので、何だか、このストーリーの中の役者達と、それを演じる俳優さんと、それに、自分の周囲の若き演劇人達と…、様々な視点で、心が右往左往して、たぶん、この芝居への評価は甘くなってしまう気がしました。
何しろ、フライヤーの言葉が「演劇を愛するすべての人へー」だもの。
演劇そのものが、テーマになっている以上、演劇が三度の飯より好物の私には、心の琴線に触れる部分が多すぎました。
でも、それでも、1幕はやや退屈でした。「どうして、この人にこんな役を与えてしまうの?蜷川さん」と質問したくなる、若い俳優さんの、学芸会以下の演技が、主に、客席で繰り広げられるので、観ている方が、気恥ずかしくてならないし…。
ところが、2幕は、本当に、目の覚める素晴らしさでした。
劇中劇「奇跡の人」は、まさに好配役で、このまま、ホリプロさんに上演願いたいくらい。最後の場面は、感動で、涙しました。
前回より、全体的には散漫な舞台でしたが、今回、香寿さんが加わったことで、この劇中劇が、どこやらの芝居の陳腐な茶番劇とは違い、本物の演劇のエキスを伝える、素晴らしい独立場面になり得ていました。
香寿さんは、本当に、元宝ジェンヌ中、最高の名女優であると、今回もまた感嘆しました。
2010/08/24 00:31
2010/08/23 23:38
たぶん、この舞台、いづれ、テレビで放映されるのではないでしょうか?
まあ、書いたように、劇中劇は圧巻なのですが、観ていて気恥ずかしくなる役者さんもいらっしゃるし、やはり、どうしたって、少女漫画の世界ですから、男性観客には、どうかしらとちょっと懸念のある舞台でもありました。
でも、本当に、ここまで、ダイレクトに演劇を語ってくれる芝居はそうそうないので、私はずっと上演される限りは見逃したくないなと思いましたけれど。