実演鑑賞
満足度★★★★
今まで観てきた おぼんろ公演は、ラストには滋味に溢れ 心魂が揺さぶられるといった印象だったが、敢えて この公演は面白く そして楽しませるといったことを前面に出したようだ。確かに近くに座っていた学生集団(参加者)は、喜んでいた様子。
公演はコロナ禍の不平等・不寛容といった状況下 いや もっと言えば戦時下の不条理を思わせるような内容だ。それを おぼんろ らしいー奇抜で派手な衣装、白塗りメイクー世界観で描く。それは一見 不気味で奇怪な寓話劇のようでもある。
おぼんろ らしさと言えば、やはり舞台美術や技術であろう。童話の挿絵のようなセット、美しくも妖しげな照明、優しく包み込むような音楽、その不思議で魅力的な雰囲気に酔いしれる。
説明にあるダニ・ノミ・マダニ、野良猫、もちろん人間も どんなに姿 形を変えようとも、その本質は変わらない。タイトルにも関連するが、その真を見極められるか否か、現代の世に問う祈りの物語のようでもある。
(上演時間2時間30分 おぼんろ らしい前説含め 途中休憩なし) 追記予定