実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/05/10 (金) 12:30
1977年の市川崑監督による映画以降、テレビドラマも連続(古谷金田一)・単独(古谷/片岡/稲垣/加藤金田一)合わせて5本観ていたが、今回改めて気付いたことが2つ。1つ目は「悲劇性」が前面に押し出されていること。
所謂「推理もの」は一般的に私利私欲や怨恨などが前面に出ており、本作ももちろんその要素もあるがそれよりも「不幸な偶然」「避けられない運命」的なものが強調され沙翁の四大悲劇やギリシア悲劇などと通ずる気がした。
2つめは本作の陰の主役……と言うより真の主役は磯川警部ではないか?ということ。ラストの金田一の「あの台詞」で露わになることを秘めての行動、イイよなぁ。この2点、今回の脚本・演出で改めて気付いたかも?
あと、今回観に行くキッカケの1つだった「あの場面は舞台でどう表現するのだろう?」な興味も「あぁ、そうしたのか!(得心)」だったしそれ以外も過去の再現場面の見せ方を筆頭に3つも盆を使う(なんと豪勢な!)など生の舞台での見せ方の見本市のようで大いに満足。