実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/05/06 (月) 14:00
元々は落語の人情噺で講談化され歌舞伎化を経て井上ひさしが戯曲化もした藪原検校をベースにした作品にして5年ぶりの再演。
元ネタが元ネタだけに「講釈師」が随時登場して状況や端折った部分を説明して進め、黒地に白で松の木を描いた簾を背景に何種類もの小屏風を使って場を表すスタイルなど「立体講談」と言えるのではないか。しかも基本的には和風な中、「御用提灯ダンス」が洋風なのもアクセント。
そうして語られる物語は過去の罪を背負って(償わず)生きている者の因果応報的な末路……だが、初演時同様、主人公に感情移入して古典的な悲劇に思われてしまうのは不思議。