デカローグ1~4 公演情報 新国立劇場「デカローグ1~4 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    B ②④

    ②同じ集合住宅の最上階に住んでいる女(前田亜季さん)が下の階の老医師(益岡徹氏)を訪ねて来る。彼は入院している女の夫(坂本慶介氏)の主治医。「寝たきりの夫は助かるのか、このまま死ぬのか?」「そんなことをこんなところで軽々しく答えられない。決められた曜日に来院して正式に面談してくれ。」
    テーマは「プラマイゼロ」。

    ④娘(夏子さん)を産んですぐに亡くなった母(松田佳央理さん)。父親(近藤芳正氏)は独りで娘を育て上げた。長期出張に出掛けた父の引き出しの中に意味ありげに置かれた封筒。「私が死んだら開封するように」と書かれてある。それを読むべきかずっと考え続ける娘。

    前田亜季さんだとは気付かなかった。確かに①②の組み合わせだと暗くて動きがなく、つまらないかも知れない。(だから変則的なプログラムにしたのだろう)。
    夏子さんは熱演。背景に映し出される巨大な映像がなかなか効果的。公園の池のシーンは良かった。
    MVPは近藤芳正氏。笑いに飢えている観客が食い付いた。

    全話に登場するであろう、亀田佳明氏演ずる名無しの男。石森章太郎の『ジュン』に登場する少女のように集合住宅の人々の暮らしを哀しそうに見つめている。この役をもっと意味ありげに配置するべき。この連作集の謎を解く鍵のように。

    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    何か自分的にはイマイチだった。映画を無理矢理舞台化しただけで、この表現こそが正解とまで至っていない。

    ②旦那とは別の男の子供を妊娠した妻。旦那が助かるなら堕ろすし、死ぬなら出来れば産みたい。医師は適当な事を言えず、諦めた妻は墮胎しようとする。慌てて医師は「夫は助からない」と告げる。戦争中の空爆で幼き子供達を失った辛い過去があったのだ。堕ろすことをやめた妻だったが、奇跡的に回復した夫が医師に挨拶に来るオチ。「生命が助かった上に子供まで授かるなんて。」
    妻はヴァイオリニストの設定だが別に弾くわけでもない。主人公は医師であり、重要なのは失くした子供達のエピソード。しかも愛犬さえも女の車に轢き殺されている。その葛藤が巧く伝わらない。妻がどうしても子供を産みたい訳でもなさそうなので、ある意味どうでもいい話。

    ④父が実の父親ではないことを知って、愛を告白する娘。近親相姦的なコメディなのだが違和感がある。血縁関係がなければいいのか?母親が実の母でないと知って、世の男性は急に異性として意識するものか?DNAではなく、これまでの関係性の方が重要だろう。ポーランドではまた違うのかも知れないし、このドラマの父娘の関係が特殊なのかも知れないが。しかもオチでは手紙は娘が偽造した物で、母の手紙の内容は読んでないとのこと。実の父娘のままの可能性も普通にあるだろうし、娘の頭はイッちゃってる。

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    2024/04/28 19:31

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