実演鑑賞
満足度★★★
A ①③
ポーランドの巨匠、クシシュトフ・キェシロフスキが撮ったTVドラマ。「十戒」をモチーフにした全10話のオムニバス。80年代末、ワルシャワの団地に暮らす名もなき人々の人生から零れ落ちる一雫のきらめき。舞台化の今作では同じ集合住宅に住む面々の物語としているようだ。
A ①③ 演出:小川絵梨子
B ②④ 演出:上村聡史
C ⑤ 演出:小川絵梨子
C ⑥ 演出:上村聡史
D ⑦⑧ 演出:上村聡史
E ⑨⑩ 演出:小川絵梨子
コンプリートするには5回観劇が必要。それだけの熱量を放射し観客に来場を訴えることが出来るのだろうか?そもそも作品自体マニアックなもので、100人規模のミニシアターで単館上映を延々やっていた記憶。(『ショアー』と『デカローグ』はいつ見てもやっていた)。お手並み拝見。
タダ券を撒いているのか序盤から寝ている客が目につく。まあこれぞ新国立劇場クオリティー。集合住宅のセットが美しい。
①科学を信じ切った大学教授の父親(ノゾエ征爾氏)と彼から英才教育を受けている息子(石井舜君)の二人暮らし。母親は別居しているようだ。「コンピューターを信じ、良き伴侶とせよ」との教育。今で言う「AIこそ真実を指し示す」という思想。近くに住む叔母(父の姉)〈高橋惠子さん〉は「この子を教会に通わせたい」と願っている。
③幸せなクリスマス・イヴ、一家団欒のタクシー運転手(千葉哲也氏)のもとにかつてW不倫関係にあった女(小島聖さん)が突然現れる。失踪した旦那を一緒に捜して欲しいとの頼み。苦渋にまみれた男の味わう散々な一夜。
千葉哲也氏は藤原喜明や杉浦貴みたいにゴツゴツした男臭さでカッコイイ。
小島聖さんはいしだあゆみと田中好子の貫禄。女優として熟している。
スケボー駅員の森川由樹さんも印象的。
是非観に行って頂きたい。