Hit Hit ヘルメットスマイル 公演情報 創像工房 in front of.「Hit Hit ヘルメットスマイル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    シアターグリーン学生芸術祭、第一弾!
    通常私は芝居が終わると演出家や顔見知りの役者に挨拶をして帰るのだが、とてもそんな気にならなかった。この芝居に叩きのめされたのである。

    作風としてはやはりゴジゲン風と言っていいだろう。一見、コメディのように見えるがその実、奥には深い哀しみが潜んでいるというのがゴジゲンの作り。ところが今回の創像工房、前半コメディタッチではあるが、笑える部分は少ない。(これは初日の固さがあったかもしれない。)そして、ゴジゲンの芝居なら2時間のうち最後の10分で感情を爆発させるであろうシーンが、芝居の半分以上占める。

    全ての役者が泣きわめき、バットを振り回し、感情をMAXにする。途中から客席は笑い声ひとつ起こらない。そういったシーンが延々続くのだ。作劇上のテクニックから言えばありえない作りだ。それにも関わらず、私は胸を締め付けられた。

    若いからこそ出来る芝居、若くなくては出来ない芝居、言ってしまえばそれだけだが、実は私が創像工房に求めていたのはそういう芝居だったのだ。

    たとえて言えば、若いピッチャーで、球種も少なくコントロールの悪いピッチャーが160キロのストレートを投げ続けている。フォアボールや死球の山で、どんどん自滅していっている。しかし、それでもかたくなに160キロのストレートを投げ続けている若いピッチャーがいたとしたら、それは逆に感動してしまうことだろう。今日の芝居はわかりやすくいえばそういう芝居だ。

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    2010/08/05 23:24

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