将棋無双・第30番 ~神局のヴァンパイア~ 公演情報 E-Stage Topia「将棋無双・第30番 ~神局のヴァンパイア~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「将棋無双・第30番」

    昨年観劇した前作「将棋図巧・煙詰」で、真田林佳さん演じる伊藤看寿のセリフ「わが兄 伊藤宗看の将棋無双だって・・・」というのがあって、気になっていました。そして今回はその「将棋無双・第30番」。待ってました。

    自分は昔いろいろ調べたことがあって、詰将棋の作問ルールやその難しさについては詳しい方だと思います。セリフに出てくる「不完全作」の意味も分かります。よくあるのが「余詰」と呼ばれるもので、別解があるものは不完全とされます。

    完全作かどうかは作問ルールの範囲ですが、それを満たすだけでもけっこう大変なのです。しかも詰将棋はそれだけではなく、「問題として面白いかどうか」が重視されます。言い換えれば芸術的な価値です。

    この「将棋無双・第30番」は手順を予習して臨みました。詰将棋としてすごい作品ですね。詰め上がり=最終形が「曲詰」と言われる、意味のある形になるものです。なんでも「神局」と言われているとか。これが江戸時代に作られたというのが驚きです。

    ネタバレBOX

    以前観劇した「煙詰」では伊藤看寿として出演されていた真田林佳さん。今回は5一の桂馬としての出演。看寿のときと同様の迫力あるお声は期待どおりでした。
    そのペアとなる5三の成桂の中井杏奈さんとはまったく違う雰囲気なのが良かったと思いました。ペアを似たようなキャラで表現する舞台がけっこうあるのですが、遠目だとどっちがどっちか分からなくなってしまうので、はっきり違いがあるほうが好きです。
    その桂馬と成桂は最初から最後まで動かないので話にどう絡むのか想像できませんでしたが、いろんな意味で絡んでました。

    前作の煙詰ではギャグシーンは無かったのですが今回はテイストが変わって、遠慮なく笑ってよいシーンがたくさんありました。
    前作にも出演された政田圭敬さんの「と金の精」にはびっくりしました。大笑いでした。
    馬鋸でどう時間を使うかに注目していたところ、総動員でスピードアップして、これまた大笑いでした。
    金将の出番が終わるシーン、まさか玉将が食べてしまうとは。飛び散る血の花が鮮やかでした。
    何度も出てくる「反逆の逆十字」という言葉が詰め上がりを指していることは分かってましたが、最後に反転させるとは。その手がありましたか。

    詰将棋を知らない人がどれだけ楽しめたかは分かりませんが、少なくとも、楽しめるように工夫されていたと思います。是非シリーズ化して欲しいです。

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    2024/04/14 18:44

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