実演鑑賞
満足度★★★★
サスペンス&ブラックコメディといった公演で、東京 新宿にある地中海料理&ワイン Showレストラン「ガルロチ」で飲食しながらの観劇。実際は 食べながら観るのは難しいかも。
舞台は 都会の片隅の地下倉庫ということだが、レストラン会場ということもあり、その雰囲気はない。どちらかといえば熱気むんむん、満席だから当たり前だろう。
物語の内容からして タイトル「私を殺して…」は、逆説的な意味合いにとれる。人は究極(生死)の状態に追い込まれると、生きることを欲す。その心情表現を表面的には面白可笑しく観せながら、物語は二転三転するような展開。役者は、時に会場内を歩き回り 観客を弄り、または舞台に上げ一体感を煽るような。前説でも 木下采音さんが「(^^♪東京ハイビーム~」と掛け声をかけ、決まり文句の唱和を求めるなど 場を盛り上げる。
さて、説明によれば 自殺コ-ディネイタ-安楽(久下恭平サン)の元に自殺志願者のマドンナ(黒田由祈サン)と名乗る女がやって来て、「美しく死にたい」と…。安楽はマドンナにさまざまな死を提供するがマドンナはなかなか納得しない。そんな中、怪しい訪問者(栂村年宣サン)が乱入し事態は思わぬ方向へ…。中盤までは、安楽とマドンナの(掛け合い)漫才のような軽快な会話が続くが、訪問者の登場で雰囲気は一転し怪しげになる。ここから物語 そして会話が漂流し始め、どこに辿り着くのか俄然興味を惹くようになる。
大ヒット韓国演劇の日本バージョン…韓国での公演は分からないが、日本では舞台セットに溶け込むようにピアノが置かれている。駒木菜穂さんの生演奏が、効果的な音響・音楽を担い 同時にライヴ感を引き出しており楽しめた。
(上演時間1時間40分 途中休憩なし)