カラカラ天気と五人の紳士 公演情報 シス・カンパニー「カラカラ天気と五人の紳士」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    別役実が生きているときより、死後、別役作品の舞台が格段に面白くなった気がする。数年前、坂手洋二の演出もよかったが、今回はまた抜群の芝居に仕上がった。とにかく笑える。別役のブラックユーモアとナンセンスとズレが、ひとつひとつ客席の笑いになってドカンドカンと破裂する。
    前半も微苦笑がつづくが、後半、女性2人が出てから爆笑パターンになる。とくに高田聖子の、煙草で男たちを翻弄し、パラソルをもって反撃する、押しの強い演技は最高だった。

    別役作品は電柱が1本立っているだけ、という美術が定番だが、今回は地下鉄のホームがつくりこんであった。電柱の代わりに、梯子の付いた太い柱だった。美術で変化をつけている割には、戯曲の解釈は奇をてらったものではない。にしても、動きが乏しせいか、スベることも多い別役戯曲を、見事に活気ある舞台にしたのは功績である。男たちの前半は決して動きが多いわけではないが、なぜか笑える。
    休憩なし70分

    ネタバレBOX

    薬剤師の手違いで、青酸カリと思っていたのが実は重曹だった。「馬鹿にされた」と怒った女二人はパラソルをもって、社会に復讐してやると飛び出していった。そして二人が踏切を超え、「時速250キロ」の特急列車に突っ込んでバラバラになって死んだ、とニュースが入る。
    時速250キロの新幹線に踏切はないけれど、これは猛スピードで移動する新幹線=現代日本にたいする、ドン・キホーテ的挑戦なのだろうか。

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    2024/04/08 00:30

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