詩×劇 つぶやきと叫び~ふるさとはいまもなお~ 公演情報 遊戯空間「詩×劇 つぶやきと叫び~ふるさとはいまもなお~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★


    「言霊を舞台に乗せる」

     福島在住の詩人・和合亮一が、2011年3月11日の東日本大震災の発生直後からツイッター(当時)で発信した言葉を編み刊行し大きな反響を呼んだ原作を、過去にも和合作品を度々手掛けた篠本賢一が舞台化した。

    ネタバレBOX



     冒頭、仮面をつけた女が佇む舞台に向かい客席後方から出演者たちが「黙礼」と題した言葉を読みあげ入場する。こうして和合が発した言葉の数々が、ギリシャ悲劇のコロスのような能楽の謡のような俳優たちによって重層的に、立体的に構築されていく。

     度重なる余震や緊急地震速報のアナウンス、福島第一原子力発電所の爆発による放射能被害など、13年前に観客の誰しもが震撼した災事が頭をよぎり、思わず身を震わせる。言葉を発することでかろうじて正気を保とうとした、和合に象徴される被災者の苦境に思いを馳せた。ただ警報音を用いた演出や災害を扱った内容であるため、事前のアナウンスは必要であったように感じた。

     物語は出演者が群読に合わせ鬼の面を被った女が舞うなか終わる。死者への鎮魂、中央政府への怒り、望郷の想いなどさまざま織り込まれていて圧巻であった。

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    2024/04/03 18:44

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