実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。
トレモロ公演は未見であったが、太宰治の「新ハムレット」を分かり易く 楽しめる作品に仕上げていた。原作を先に読むか、読んでから観るか、そんなことは問題ではない。この公演を観るだけでも原作の面白さは解る。自分は読まずに観劇し、翌日 急いで読んだ実感として言える。当日パンフによれば「原稿用紙に二百枚、五時間の大作」とあるから、勿論 テキレジはしている。
公演の面白さは、独特の舞台美術と役者陣の熱演であろう。勿論、原作の面白さを十二分に引き出した早坂 彩 女史の演出力、その巧さは言うまでもない。この作品を観たいと思ったのは、トレモロが未見であったこと そして「こまばアゴラ劇場」が最後だということ。この劇場の構造を上手く使い、妖しい雰囲気が漂う中で「長編戯曲風小説(レーゼドラマ)を、軽快にかつ濃密に描いた一幕劇」、まさに謳い文句通りの珠玉作。
(上演時間1時間40分 途中休憩なし)㊟ネタバレ