ホワイトデーはブラックでぇい⁉︎ 公演情報 FREE(S)「ホワイトデーはブラックでぇい⁉︎」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    タイトル「ホワイトデーはブラックでぇい⁉︎」からも分かるが、バレンタインデーのお返しの意味での甘く浮かれた内容ではなく、目標に向かって努力する。その頑張る姿を通して 生きるとは を考えさせる青春(ダンス部)群像劇。見どころの1つは、勿論ダンスシーンであろう。

    或る出来事とダンス部内の人間関係を絡ませ、物語を巧みに展開していく。そこには霊能力(またはオカルト)というか、都市伝説・学校の七不思議といった内容を挿入し、或る出来事の真相に迫る。またダンス部内の先輩後輩の上下関係、仲間との友情など 定番とも思える内容を盛り込み、女子高生らしい楽しみ 悩み苦しみといった内面を浮き彫りにする。

    ただ部活というだけのダンスではなく、その活動に意味付けをしたい。そんな時 地(方)域大会が開催されることになり、優勝を目指して頑張ることに…。劇中 何度も出てくる言葉、「仲間とは、信じて 待って 許すこと」だと言う。物語の展開はまさしく この通りで、傷つけあいながらも仲間を信じる。が、そう簡単に許すことはできないこともある。その苦悩は、理屈ではなく感情の制御、整理が出来ないところにある。

    そのために 人知を超えた<霊能力>という演劇ならではの虚構性を用いる。或る出来事の真相が、彼女たちの過去と現在を明らかにし 抑えようのない感情が溢れ出る。それをどう乗り越え友情を深めることが出来るか。過去は変えられない、現在(現状)を受け入れるしかない、そんな在り来りな言葉が紡がれる。そんな理屈は解っているが、懊悩は深まるばかり。この内面を描いた心情が もう1つの見所。激しいダンスシーンと激情とも思えるシーン、この外面・内面のシーンを上手く盛り込んだ公演。
    (上演時間1時間50分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    素舞台。ダンスシーンを観(魅)せるため 広いスペースを確保している。この劇場は 出入口近くに別スペースがあり、この公演でも学校 購買部や裏井戸など 色々な場所に見立てて活用している。

    ヒロインは、7歳年上の姉を不慮の事故(火事)で亡くしていた。実は 姉の事故を不審に思っており何とか真実を突き止めようとしている。その手段が霊能力_学校裏にある古井戸に向かって死者(姉)との交信を祈る。死者から直接真実を聞くといった突拍子もない発想である。オカルト、ミステリー要素を取り入れることによって、物語の展開へ興味を持たせる。

    さて ヒロインは、姉が創部したダンス部に所属しているが、無目標であまりやる気がないような。しかし、地方大会へ出場して優勝 という近々の目標を持つことによって意識が変わる。ダンス部のメンバーと練習に励むが、その仲間の1人が姉の死に大きく関わっていることを知り、苦悩する。一方、関わった仲間も絶望し…といった双方の心情を描き、物語へ深みを持たせる。

    心に葛藤を抱えながら ダンス大会に向けて練習に励む。個別のダンスシーンや全体練習など、多くの魅せるシーン。総じて若い女性キャストの溌剌とした姿が清々しく描かれた群像劇は、大いに楽しめた。
    次回公演も楽しみにしております。

    0

    2024/03/17 08:13

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大