『人形の家』激論版/疾走版 公演情報 アマヤドリ「『人形の家』激論版/疾走版」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/03/15 (金) 14:00

    イプセンの「人形の家」を2通りの解釈で現代風に上演するという企画。自分が見たのは「疾走版」で、異色の舞台を楽しませてもらった。

    異色というのはまず、場面(登場人物のせりふ)のリピートがダイナミックな舞台の動きと共に展開されることだ。何回も同じ対話が繰り返されるから、理解が進むという効果がある。男の俳優が話すせりふを女の俳優と入れ替えて話す場面もあり、発想は極めてユニークだ。また、切れのいいダンスが展開され、舞台を引き締めている。男性4人、女性6人の構成だが、主人公の女性ノーラのせりふも入れ替わり、違う女優がしゃべったりする。人形の家をモチーフに、大胆な発想を取り入れた創作劇という趣だ。

    ノーラは亭主と3人の子を置いて家を出ようとする。亭主は愛がなくなったなどと言うノーラを懸命に引き留めようとするが、「私はあなたを解放するし、私も解放する」と去って行こうとする。これは、男性社会で家事や育児に閉じ込められてきた女性の異議申し立てなのだが、原作が書かれた当時とは大きく社会が異なっている現代ではまた、別の見方ができる。さまざまな見方があると思うが、それは客席の一人ひとりの受け止めにもよるだろう。そういう展開になるところがこの舞台のおもしろさでもある。

    ビートルズの「オブラディ・オブラダ」に乗ったダンスが展開されたのには少し、度肝を抜かれた。なぜ、この曲が選ばれたのかはとても興味深い。演出の広田淳一に聞いてみたいところだ。

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    2024/03/15 19:46

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