バラシて終わりと思うなよ 公演情報 劇団フルタ丸「バラシて終わりと思うなよ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    いきなりバラシの場面から!笑
    説明どおり、舞台セットをバラシながら劇場が空になるまでをリアルタイムで上演したもの。これが実に面白い!今回のフルタ丸はワタクシが過去に観た公演の中で最高傑作でした。

    ネタバレBOX

    まず、舞台左に設置された時計が90分から始って76:26とか45:55とか、残り時間を刻んでゆく。これが実にいいアイデアだ。舞台はイトウの号令でバラシながらも照明やら、コンパネをバラシていくわけだけれど、照明担当とイトウでちょっとした小競り合いがある中、スズキのボケが功を奏する。笑)

    一方でタカハシという女子劇団員がまったく使えない存在だが、唯一、劇団の紅一点なことから今彼のサトウ、元彼のタナカ、その前彼のスズキと、男子劇団員を総なめにしてきた強者でもある。このキャラクターの立ち上げ方も絶妙だ。仕事の出来る一見、気の強そうな元劇団員のナカムラよりも、とかく男子はタカハシみたいなユルキャラ女子が好みという一般的なモテキャラを取り入れながらも、観客は刻々と秒針を刻む時計を睨めっこしながら、ワクワクドキドキしちゃうのだ!笑

    物語はこの公演を最後に解散する劇団の、理由や情景を表現しながら30歳前後になると考える人生の分岐点や、劇場側のコバヤシが放つ、シビアだけれどもっともな意見にも考えさせられる。これらは案外リアルだ。劇団が常日頃、考えてるような状況をそのまま、舞台化したものといっても過言ではない気がする。

    終盤、これで解散してしまう余韻を残すのは余りにも残念だという劇団の主張で「動物愛護」に関するお芝居を劇場ロビーで公演するも、残り時間は15分もない。ワタクシは公演が無事に終わるのか?バラシはその後に持ち越して大丈夫なのか?追加料金は払えるのか?などとハラハラしながらも、全てを時間内に終わした時には、妙な達成感を味わうことになる。笑

    犬のぬいぐるみの登場といい、個々のキャラクターの設定といい、緩く可笑しい。失笑!みたいな笑いどころは随所に散りばめられて、観劇後に満足感のある舞台だった。どのキャストも自分のポジションをしっかり演じていたと思う。だからこそ舞台が楽しかった!

    0

    2010/07/29 12:16

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大