ワークショップから生まれた演劇 「マクベス」 公演情報 彩の国さいたま芸術劇場「ワークショップから生まれた演劇 「マクベス」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    角書きに「はえぎわX彩の国さいたま芸術劇場・ワークショップから生まれた演劇」とある。若い世代に向けた作品作りを目指し、試演を重ねて、親しみやすく、飽きさせない構成と演出で制作された、いままでいくつもの舞台を見てきた「マクベス」のニューヴァージョンである。リーダーは演出のノゾエ征爾。デビュー三十年になるベテランである。
    特色としては、舞台がいかにも今時の若者好みにきれいに様式化されていること、演出者か音響担当者か、あるいはワークショップの民総意か解らないが、何曲か、現代作曲の音楽が使われていること。それに応じて(ひきずられて、といった方が良いかもしれない)ダンス的表現(美術での8X8の椅子を俳優全員が動きながら美術大小道具の役割をさせていくところも含め)が多用されていること、テキストは、現代に残る名台詞、名場面を残らず山場として強調してあり、今まで再演ではマクベス夫人(が最も多いだろう)や敵対する武将などの視点をとることが多かったが、この再演では原作通り、今となっては類型的な普通の人間、マクベスの原作に従っていること、制作に携わった俳優、制作など舞台の現場が(多分)平均年齢以下の若者ばかりだったこと。が上げられるだろう。それらが良くも悪くもこの公演を特徴付けていて、それに耐えるのも古典戯曲の役割だとも感じた。
    もうずいぶん前になるが、中屋敷法仁が、 踊るシェイクスピア というシリーズを上演していて、オールフィメールキャスト(だったと思う)で、名作を踊り抜く舞台があった。確かに新しくはあった(それなりに愉快ではあったが)が、だからといって、シェイクスピアに新しい発見があったと言うことはなかった。そこが古典のしたたかなところで、ノゾエは、真面目に考える方の人らしく、やはり難物だなぁ、と感じた由で、客席には若者と同じくらい成人客層も見に来ていて、なかなか、観客世代を変えようとするほどの作品は作れない。上に挙げたような小手先ではどうにもならない。アノ、野田秀樹ですら、ずいぶん脇では使っているが、正面からはほとんど4大悲劇と戦っていない。入りは6分。

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    2024/02/25 12:20

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