7/21~25「ON THE WAY HOME」(佐藤靖子演出) 公演情報 (株)喝采企画「7/21~25「ON THE WAY HOME」(佐藤靖子演出) 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    女性演出家ならではの優しいまなざし
    6番シードの前主宰、劇作を担当してきた久間勝彦の同じ作品を気鋭の演出家4人が演出するという企画。

    その中でも、本作品は、品行方正児童会主宰の前川麻子に指示した経歴を持つ佐藤靖子の演出。

    横井さん、小野田さんよろしく、戦争を終了していることを2年余り知ることなく南海の孤島で暮らしてきた数名の日本人+αが日本を目指す船中での出来事を描く。


    ネタバレBOX

    戦争を経験していない世代が描く戦争物として、人間模様を力強く描く。

    乗員の日本人はそれぞれ事情を抱えて、日本にいることができたくなったために、絶海の孤島に移住してきた面々。
    そんな面々ではあるが、戦争終結を聞きつけ、それまでの安定した生活を捨ててまで早く日本に帰りたいと願う。
    しかし、船長の桜木だけは違った。
    桜木は、自分しか航海術を知らないことをいいことに、日本を目指すことなく太平洋上をぐるぐると回り続けるのであった。
    元海軍士官の経歴を持つ桜木は、仲間を道連れに、機関銃1丁でアメリカ軍と一戦交えて潔く散ることを願う。
    本来、進行方向の後ろに見えるはずの南十字星がときに進行方向正面に観えることに気づいた他の乗員によってそのたくらみが明らかとなる。
    そんな桜木の行動は結果的に不発に終わる。。。

    この桜木の試みも果たして本心からの行動であったのであろうか。
    本気ではなかったのではなかろうか。
    それは、タイトル(「on the way home」、直訳すれば、「帰り道の途中で」)からも推察されるところである。

    重いテーマを、負の側面からではなく、明るく前向きに捕らえている点に交換がもてる。女性ならではの優しいまなざしにあふれる作品に仕上がっていた。



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    2010/07/25 23:36

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