トラブル万歳! 公演情報 劇団クロックガールズ「トラブル万歳!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    本音で戦う
    もっとコメディ色が強くてはちゃめちゃな舞台かと思っていたが違った。一般人には裁判所なんてとんと縁がないが、わりに取材に基づいた構成だったと思う。
    トラブルを抱えて裁判所にやってくる人たちのキャラクターもメリハリがあって面白かったし今時のツイッターでのつぶやき相手を200人の友人と思い込む軽薄さも露呈させながらコミカルに描写していた。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX


    正義の味方をきどって弁護士になったものの現状のどうでもいいような争いを目のあたりにし夢と希望と理想は現実とは違う、なんて落胆した新米弁護士は、先輩弁護士によって真の弁護士とはなにか?を教えられ成長する弁護士の物語。

    愛しながらもお互いの思い込みによって離婚を決意し慰謝料を請求する妻。ホストに入れあげた客がホストに騙された金額を損害賠償請求する女。弁当に竹輪が入ってなかったとこれまた訴訟するクレーマー。対人関係が苦手でネットに逃げ込んだ男がMIXIやツイッターで会話が弾み結婚を決意したものの破棄されたと訴訟するネット男。

    それぞれのキャラクターが集って訴訟する事件に重大な事件はない。本音で話し合えばむしろ殆どが近所で解決しそうな問題だ。これらを題材にホストに騙されたという西田華子がどこにでも首を突っ込んでは、相手の気持ちもお構いなしに聞きだすさまはおばちゃんさながらの風景で可笑しかった。彼女のキャラクターがあってこそのコミカルさが突出した場面だ。笑

    終盤、まとまる人間関係はまとまり、あるいは訴訟を取り下げ、一方でやり直す夫婦もあったが、7年前に執行医のミスで妻を失った男の裁判で執行医に「慰謝料を払え」と判決を出した裁判官が人の一生を左右してしまう判決に「誤りがあったのではないか?」と苦悩していた様子も織り交ぜて、コメディだけではない内面の深さも加味されていた。

    この事件がきっかけで医者を辞めて楽に生きられるネットに逃げたのが野沢だった。しかし、いざという時に誰も見方になってくれないツイッターの200人の友人もどきの態度に目が覚めて今度こそは生身のよりよい人間関係を築こうと思うのだった。

    全体的に大爆笑のシーンはない。ないがそれぞれの人生をコミカルに描写していた。観客を「傍聴席」として巻き込んでの公演は実に楽しかった。全体的に上手くマトマッテたような気がする。


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    2010/07/21 18:11

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