帰って来た蛍〜神々のたそがれ〜 公演情報 カートエンターテイメント「帰って来た蛍〜神々のたそがれ〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    クサイシーンはあったものの
    全員に配布するパンフレットがとにかく豪華。公演の際に1000~1500円で販売してるようなパンフレットだった。キャストらのそれぞれの舞台出演の履歴が紹介されていたが、ワタクシが4公演以上観てるキャストは二宮さよこと斎藤佑介だった。
    どのキャストも素晴らしい演技をしていたが、その中で冴えわたっていたのが宮川三郎役の山下平裕だ。彼は「かいぶつのこども」の時よりも秀逸な演技力を見せていた。

    ちなみに実際の過去の映像を流すシーンは見ごたえがあったが、近日撮った映像はあまりにもお粗末な出来。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    時代の波とはいえ不条理と過酷な時代の為に犠牲になった特攻隊員らの物語。

    場所は知覧。軍の食堂として認可された冨屋食堂のおかみ・トメは明日の命も保障されていない特攻隊員らを我が子のように可愛がり隊員らにとって母代りになっていた。冨屋食堂には毎日のように隊員らが集まりここを癒しとしていたが、彼らの中にはお国の為に命を捧げるという使命になんら疑問を持たない輩とそうでない輩がいた。

    集団心理というのは少し間違えると思わぬ方向に流れていくのが世の常だが、同じ釜の飯を食い同じように汗を流した体験は一体感、連帯感の醸成には効果的なのだと思う。ひとを高揚させ感激させ、情動的にさせる。その場の誰かの指示や命令に反射するように従うようになってしまうし、成らざるを得ない世の中だった。

    国が軍が国民をコントロールしてしまったように特攻隊員らも「大切な人を守るため、この美しい日本が永遠に続いて欲しいから、自分の身を犠牲にする」という想いの中、一方で「特攻という愚策をもってしなければこの戦争に勝てないということなのか・・。」と疑問視する滝本。

    そんな中、特攻団長は「最近悪天候を理由に飛び立っても戻ってくる輩がいるがそれは断じて許さない。例え天候不良でも戻ってくるな。もののふの魂を見せろ。日本男児の心意気を見せろ。」と視界が見えなくても戻ってくるな、犬死にをしろ!と命令する。

    そうして、続々と特攻隊員らが飛び立つ時期が確定していく。やがて遂に宮川も明日、飛び立つという。「未来の日本人は俺たちのことを忘れないでいてくれる。おばさん、自分は蛍になって必ずここに帰ってきます。」と言い残し、約束通りに蛍となって食堂にやってくる。というお話。

    物語自体は素晴らしいのだが、部分的な映像や、終盤の蛍のシーンがクサイ。もっと違った演出方法はなかったのだろうか?それでもこういった作品はずっと公演し続けて欲しい題材だ。

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    2010/07/20 14:54

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