境界 公演情報 劇団夢現舎「境界」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    コロナ期に配信でみた一人芝居で知った劇団。劇団の歴史はそれなりのようだが出演陣は益田喜晴氏(喜頓と読みそうになる)がベテランの域である以外は4名とも若手(と見えてover thirtyかも)の男女。皆が劇団員風情であるが、にしては?中々の実力。短編は既存作品とオリジナルを織り交ぜた11編。「境界」とは格差、無理解の壁といった幅広い概念だが、冒頭の「笑顔」は教団信者の作り笑いで教会に引っ掛けたな、とふと彼らの手にあるビラを見ると「ものみの・・」おっといきなり実名??と窺っていると、徐に客席にそれを配り出す。見れば「ものみの櫓」、なんじゃこりゃであるが開けばおみくじであった。・・といった正月らしいのがこの公演の趣向、一つ一つが楽しめる短編集としたのもそうした事のようで最後はプチ獅子舞も登場した。チェーホフの短編や、思わずぐっと来る山本周五郎「壺」、トリは落語「井戸の茶碗」(要諦を押さえつつ最短化して上出来)。等織り交ぜながらオリジナルも気の利いたお話。中でもやや長尺の「消防民営化」(近未来)「国境」(現実)は現今の「問題あり」な風潮を抉って笑わせ、何気に秀作であった。
    こういう風刺の効いた劇は例えばロシアだとか、どこか「後れた国」の融通の利かない役人や金欲性欲に弱い地主、地方領主はたまた王様など煮ても食えない権力を揶揄する話だと昔は思っていた。
    今はわが国の話である。

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    2024/01/17 12:54

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