実演鑑賞
満足度★★★★★
がしゃどくろ組を拝見しました。前演も拝見していたのですが、キャラクターについて背景や関係性が付与されることにより、よりたのしさとエグみが増した気がします。幽霊たち・墓場の「機嫌のいい」ぶりも際立ち、その「機嫌のいい」さのかわいらしさとうらっ返して肝の冷えるような感触もまた良かったです。それだけ付加があったにもかかわらず、自分が筋だと好きだったと感じる部分については前回見たときと印象が大きくぶれず、改稿の良さを感じました。ろうそくの火のような小さな希望が、めぐりあわせの妙と理不尽の嵐に巻き込まれてあっさりと消えてしまう…というより燃やし尽くす大きな炎になるような感じを受けました。じっとりとした現実に反して、葬列のシーンはかわいらしく少し幻想的で静謐さすら感じ、苦しいお話の中でも、そこに加わる・包まれることで救いのようなものも感じ、後味が不思議と苦しいだけで終わらない、美しいなと思います。容赦のない絵本。面白かったです。