天號星【10月4日~10月9日公演中止】 公演情報 劇団☆新感線「天號星【10月4日~10月9日公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/09/14 (木) 18:00

    モアチャンス見切れ席で2階バルコニーの下段、その1番舞台に近い席で観劇。
    すぐそこまで太一さんやゆっくんが来る。想像の倍あった客席通路の出ハケも全部見える。
    見切れ席とはいっても、一瞬セットの影になるとか、上手奥が少し見えない程度で全くストレスは感じなかった。シャッターする衝立に隠れてハケるキャストが見られるお得な席。
    なにかひとつダメだった点をあげるとすれば、袖か舞台裏かロビーでスタッフさんが話してる声が微かに聞こえること👂何話してるかまでは聞き取れないけど、なにか喋ってる声は聞こえる。

    銀次と朝吉が兄弟だったらどうしよう、とか思ってたけど、そんな展開には一切なりませんでした(笑)ただの人殺し好き同士ってだけだった。

    ネタバレBOX

    天號星という作品、どこからどう見ても早乙女兄弟への愛をぎゅうぎゅうに詰め込んだ早乙女兄弟のための話だったし、古田新太が主役と見せかけて「入れ替わり」を上手く使って実質早乙女太一が主役の話だった。
    太一さん、めちゃくちゃ戦ってたし喋ってたし叫んでたな...主役の分量だった。早乙女太一が新感線でソロで歌う日が来るなんて想像しました?けむりで元気に合唱はしてたけど、まさかソロで歌う日が来るなんて...びっくりした。こういっちゃアレですけど、太一さんはけして歌が上手いわけじゃない、微妙に音外す、歌の上手さは普通。だから、ほんの30秒くらいで、喋るに近いような歌だったけど、歌用のマイクつけて殺陣やりながら歌う太一さん、オタクの妄想かと思ったわ(かずきもひでのりも早乙女兄弟の強火担だから間違いでは無い)
    ゆっくん、また上手くなってる。滑舌もめちゃくちゃ良かった。今が盛りだなぁ...咲き誇ってるなぁ...自信に満ち溢れていたなぁ...はぁ...最高かよ。男らしくて、でもちょっぴりお馬鹿で、銀次と半兵衛に振り回されてて、でも本人は殺し合いが出来ればいいキチガイだから楽しそうで良き。銀次に「お前変わったな。欲が出たな」って言い当てるところとか、最後太一さんと一騎打ちするところとか、めちゃくちゃカッコよかった。私、ゆっくんの股旅姿大好きなんだ。私得。ボロボロ回し合羽の扱いが流石すぎる。
    今回も女性陣が強くてかっこよかった。男に依存しない、いざとなれば1人で生きていける、強い女、いいね!カナコさんの巫女姿、似合いすぎ。聖子さんの包容力。よし子さん、実はめっちゃ優しい人ターンあったから死亡フラグかと覚悟してたらまんまと壮絶な最期をむかえてしまって悲しい。史緒里ちゃん、歌も芝居も上手い、場の空気を掌握することが出来る子。芯の強さが声や目にしっかり出てる。千尋ちゃん、中国武術で殺陣のなかに飛び込んでいくのはなかなかタイミングとか間合いとか難しいんだろうなって見てて思ったけど、荒くれ者の中で育ったお嬢の箱入り感と男勝りな部分と、素直なところも出てた。型を見せるシーンは、さすがのカッコ良さ。
    太一さんには2人の娘ちゃんがいて、半兵衛にも2人の娘がいる。これ、あえてリンクさせたのかなぁ。終盤の義理でも偽物でも娘は娘だ!って父親として言うところ、お父さんな太一さんとダブって2つの意味でウルウルした。古田さんもお子さん娘さんだし。
    入れ替わると、姿勢も歩き方も古田新太になる早乙女太一、凄すぎでは。猫背気味でちょこちょこぽてぽてよちよち歩く古田さんの癖を完コピしてた。殺陣以外で刀をどう扱うか、どんな仕草をするか、全部古田さんだった。長屋のみんなと「渡り大工だ」ってフォーメーション組んで真ん中で刀担いでしゃがんだとこなんて100%古田新太だったもん。早乙女太一が演じるキャラクターであれば八割くらいの確率でやる「頭を搔く」「首を搔く」が出なかった。たぶん銀次をやってる時ならやる可能性はあるけど、半兵衛になってる時はいつもの感じでは動かないからやらない。すごいなぁ。感動。
    川原監督の役、ズルくない?(笑)時代劇に絶対出てくる用心棒の先生じゃん。ちゃんと笑いもとっていくし。総髪の二枚目でビジュアル100点満点。
    今回は裏切らないのかと観客が油断した頃合を見計らったように裏切ったまさとさんも100点。
    右近さんの登場ビジュもすごい好き。黒い狩衣で、烏帽子かぶって、長髪で顔に模様描いてて、あー!新感線を観に来てるなー!って強く感じた(笑)野獣郎とか阿修羅城とか、歴史ファンタジー色の強かった頃の新感線を観てる気持ちになった。終盤、歌の中で身支度整えるカナコさん右近さんに阿修羅城の闇の椿を思い出すなどしました(右近さんは闇の椿の身支度シーンいないけど)
    タイトルが出ないまま話が進んで、まさかの一幕最後に早乙女兄弟が刀を合わせたシルエットでドーン!と出るとは。タイトルを背負うのは古田さんだと思ってたから、もう胸いっぱいで泣いた。入れ替わった状態だから半兵衛がタイトル背負ってるといえばそうなんだけど、演じているのは太一さんだし一緒にいるのゆっくんだし、なんなら物語の最後にもう一回タイトル出た時は完全に早乙女太一がどセンターで口上して見得してドーン!だから、また泣いた。カテコで古田さんを早乙女兄弟が挟んで立ってるの見てまた泣いた。夢みたいな景色だった。ありがとう世界。
    銀次ごと自分の体を殺して、一生銀次として罪を背負って生きていくって決めるのめちゃくちゃ重い。やっぱり太一さんは背負わされる運命。義理でも偽物でも、愛する娘たちのために別れを決めて去って、追われ追われの生活を選ぶ。御用の提灯に照らされて同心や捕手に囲まれて舞台の真ん中に立つ太一さんは間違いなく主役だった。そして、あのラストには昭和の時代劇スペシャル味を感じずにはいられなかった。これからも彼の人生は続いていく、みたいな。エピローグ的な終わり方するやつ。最高かよ。

    ずっと憧れていた師匠を倒して
    追いかけてきた弟にもまだ負けないぞってとこを見せて
    次こそ本当に太一さんが主演の新感線が見られるかもしれない。期待しちゃうな。いつか、兄を超える弟の物語も観られるかもしれない。かずきさん、いのうえさん、長生きして。

    初日だから、台詞のテンポとか、殺陣の間合いとか、すこーし気になるところはあった。でも、早乙女兄弟がバチバチに仕上げてきてるので問題ない。おじさんたちは貫禄で押し切れる。千尋ちゃんの殺陣がもうすこし噛み合ってくるともっとカッコイイだろうなって思った。
    粟根さんはいつもどうり脚本通り演出に言われた通りにやってるんだけど、成志さんがまぁーーーーー通常運転。今回は何もしないって言ってたのに蓋開けてみたら1番好き勝手してるように見えました。演出通りなところが大多数なんだと思うけど、終始楽しそうでなによりです。

    0

    2024/01/03 20:08

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大