実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/01/10 (火) 15:00
「吃又」
吉右衛門さんの芸を引き継いで、歌昇種之助兄弟の又平夫婦。歌昇さんの台詞や表情に吉右衛門さんを感じる。芸は生きている。
種之助くんの女房が絵を見つけた所、歌舞伎座で観た勘九郎猿之助夫婦の時よりあっさりめに感じた。お家の違い?
死ぬと決めて絵を描ききった又平の魂が抜けてしまった感じ、ゾクゾクするし、そんな亭主を支えて「よう描けました。御苦労でござんした」と声をかけ続ける女房の様子や、キツく筆を握りしめた指を1本ずつ外してあげて、その手をさすりながら泣く様子は胸が締め付けられる。種之助くんの控えめなすすり泣き、良い。
苗字が許されてからのハッピーな空気が前半と打って変わって晴れやかな気持ちにさせてくれる。
松也さんおいしいお役でさすがの存在感。下半身の安定感。莟玉くんも良かったなぁ。前髪の美少年、しっかりとした芯があって又平に対しても同門の兄弟弟子としての思いを感じる。
「連獅子」
微笑みを浮かべながらの子獅子なんて初めて見た!動きのひとつひとつが綺麗なのと、親子で動きのシンクロ率が高くて、お互いがお互いに合わせてるのが見てて気持ちいい。音のとり方も似てるのかも。
毛の回しかたは2人ともイマイチかなぁ…なんか物足りなくて、いまいち気持ちが入らなくて拍手は出来なかった。ガンガン回せばいいってもんでもないし、回数やスピードより大きく美しく回してほしい。