海をゆくもの 公演情報 パルコ・プロデュース「海をゆくもの」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    おもしろかった。小日向文世の悪魔役がすばらしい。他のうらぶれたガサツな労働者たちと違い、嫌みなスマートぶりが絶品。弟役の平田満と二人っきりになったとき、正体を現して魂を懸けた勝負を挑む。ぞっとするような怖さがあった。
    上演3時間(休憩20分)

    ネタバレBOX

    最後のどんでん返しも素晴らしい。浅野和之が登場してからずっと探していた眼鏡を、ひょいと見つけることで、勝負の結果をガラッと変えてしまう。見間違いには爆笑だった。この舞台の笑いは浅野の細かい所作が多くを担っており、素晴らしい喜劇訳者だ。捨て台詞して去る悪魔に、悪魔とは知らない兄が「ナンダ未練たらたらじゃないか」と毒づくのも笑えた。

    神の恩寵で、最後は悪魔が負ける展開は「ファウスト」だと思った。パンフを見ると、ポーカーに悪魔が参加して最後は負けるというアイルランドの「ヘルファイア・クラブ」の民話がある。それを作者はもとにしたそうだ。でも「ファウスト」も似ている。

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    2023/12/17 22:22

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