わが友、第五福竜丸 公演情報 燐光群「わが友、第五福竜丸」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    千秋楽前、時間ができたので当日劇場へ足を運んだ。題材が題材だけに力作が出て来そうと予想したが想像以上だった。燐光群の特徴である「解説」部分(人物らが自分が知っている事として発し合う)の割合も高いがそれがアダにはならずただただ情報と思考に圧倒される。水爆実験に被災した第五福竜丸を語る事は必然、現在進行形である所の放射能、原発を語る事になる。被爆者への差別、補償を受けた者への誹謗、補償そのものの不平等や問題矮小化の政治的背景も。そして芝居の大詰まりでビキニ環礁辺を航行する船の場面が出現する。NODA MAPのある作品(高橋一生が主演した)を思い出す(この作品は私が観たNODAMAP三つの中で唯一感動を覚えた舞台)。重要なイシューが他の雑多なイシューと共に忘れ去られる現代に、力技で注視を促す坂手舞台の優れた成果。演劇表現と感動は多様にあり得るが、坂手氏流の劇的要素が確かにあった。

    ネタバレBOX

    本作で特記すべきは俊鶻丸というビキニ実験後に環境調査のため日本から出された調査船の存在。それを介して海洋における「希釈」が予測困難である事にも言及される。「処理水」の海洋放水の安全性に影がさす。
    この調査は継続されず打ち切られた。根拠なき安全神話に調査・研究が対置されるべきは今日も変わらない。

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    2023/11/27 11:37

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