清水宏の、世界に告ぐ!! 公演情報 劇団ガソリーナ「清水宏の、世界に告ぐ!!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    汗かき男の蒸し暑い夜
    役者としても、お笑い芸人としても、何度か見ている清水宏の今回は単独お笑いライブ。劇作家のじんのひろあきが作・演出で協力しているというのが気になって、久しぶりに出かけた。
    席について開演を待っていると、客席後方から清水の声が聞こえてきて、振り向くと、たぶん持ちネタらしい名古屋のオバサンに扮していた。すでに座っている客、ちょうど入ってくる客をいじりつつ、開演前からすでに楽しい雰囲気が出来上がる。
    内容は大きく分けて四つ。
    一つはこの公演の直前に、アメリカで行われたコント大会に出かけたときのいわばルポトーク。実は応募したけれど参加が認められなかったので、次回に向けての偵察も兼ねて強引に現地まで出かけたのだという。カタコトの英語でアメリカ人と渡り合うクレイジーな旅の報告。
    次は公演のタイトルにもなっている「世界に告ぐ」という一人芝居。もしも自分に息子がいたらという設定で、自分の父親の奇人ぶり(隣家から伸びてきたススキの穂が邪魔だからといって、灯油をかけて燃やしてしまったり)などを紹介しつつ、芸人の父親に対する息子の反発とそれに対する父親のとまどいをコミカルに描きながら、最後にはちょっと人情味も加えて。ちなみに、「世界」というのは劇中に登場する息子の名前。
    三つ目はこれもたぶん持ちネタだろうと思うが、スタッフが用意した横長の白い紙を客の囃し立てる声に乗ってビリビリと破る。その破片をさらに適当な形にちぎって、いろんな小道具に見立てながら即興で小芝居をやる。演者のテンションと即興的なパフォーマンスから、小林健一が動物電気の芝居でいつもやるフンドシ・パフォーマンスを連想した。
    最後は清水が実際にそのライブに出演したこともあるという忌野清志郎との思い出を元にして、二人の交流をおおむねコミカルに、終盤ではファンタジー風のこれまたほろっとさせる話として描いている。清水宏によって語られる、テレ臭さがこじれてシュールな禅問答みたいになった清志郎の言動がかなり可笑しい。あれは清志郎という人物を知るうえでのなかなか貴重な証言だ。

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    2010/07/01 20:01

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