実演鑑賞
満足度★★★★★
見せ場で、良妻賢母教育の権化だった裁縫の宇田先生(林田麻里)が若く開明的なミチコ先生(堺小春)にいう。「私は先生が苦手です。私を動揺させるからです」と。「しかし、私は流されたりしません。私は私の石を投げます」と。うかつながら、ここにきて、どういうラストになるかが分かった。その前、生徒たちが何よりの楽しみにしていたフートボール(サッカー)が禁止され、ボールもすべて穴をあけて捨てられて、いったいどういう風に物語をしめくくるのかと、いらぬ心配をしていたからだ。
宇田先生が体育祭で「あなたたちを傷つけることは、私を傷つけることだと気が付きました」の言葉には無理がない。それに続くラストこそ演劇的フィクションをいかんなく発揮した感動のクライマックスで、思わず涙が出た。