Political Mother ポリティカル・マザー 公演情報 彩の国さいたま芸術劇場「Political Mother ポリティカル・マザー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    お手上げダンス
    ホフェッシュ・シェクターという男性振付家のダンス作品「ポリティカル・マザー」を見る。上演時間は70分くらい。ギターとパーカッションの演奏者が4名ずつ、舞台奥で生演奏をした。出演ダンサーはたぶん10名。スポット照明を多用していて、暗転も多いので、全体的に暗い雰囲気が漂っている。座席は上手の6列目。スピーカーから響く音がちょっと大きすぎた。出だしは鎧をつけて剣を持った男が一人、おもむろに剣で腹を突き刺して死ぬ。次に男二人が踊った後、人数が増えていく。舞台奥の下段にパーカッション、上段にはギターとヴォーカル担当らしき人物。バンドのライブステージのような印象のほか、独裁者が群集にむかって演説しているように見える場面もあった。舞台で踊るダンサーは粗末な衣装を着けていて、収容所の囚人めいた雰囲気もときどき感じられた。踊りの特徴として、両手を頭の上にかざすことが多かった。お手上げのしぐさにも見えるし、天に向かって何かを請うているようでもあり、ときには阿波踊りのような盆踊りの雰囲気もある。
    ホフェッシュ・シェクターはイスラエル出身のようで、オハッド・ナハリンのバットシェバ舞踊団にもいたという。この作品のヴォーカルを担当していたらしい。タイトルにポリティカルとあるからというわけでもないが、同じくユダヤ系の振付家であるヤスミン・ゴデールの「ストロベリークリームと火薬」という作品を連想した。抑圧された人々を群舞で描いているところに共通点を感じたせいだろう。内容的には「ストロベリークリームと火薬」のほうが断然好きだけど。

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    2010/06/26 23:03

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