満足度★★
劣化コピーはどちらか
「不老不死」をテーマとした作品は、演劇のみならず、映画、漫画でもよく見かけます。まして「人魚」がモチーフとなれば、高橋留美子『人魚』シリーズをどうしても想起しないではいられません。実際、白髪の少女とか世話役の婆とか、『人魚』シリーズのイメージを踏襲したようなキャラクターが出てくるのですから、観ているこちらは気恥ずかしくなってきます。
もちろん設定をそのまま「借りて」くるのではまずいと判断されたのでしょう、『人魚』シリーズはあくまで伝奇物語ですが、本作はSF風味の味付けを施して差別化を図っています。
でもそれもどこかで見たようなイメージばかりで、やはり新鮮さを感じません。作り手はこういうのをうきうきしながら楽しんで書いているのかもしれませんが、観客から見れば作者自身の自己満足としか受け取れません。