実演鑑賞
満足度★★★★
世紀が替わる頃、シャンプーハットを率いて活躍していた赤堀雅秋は、ちょっとユニークな存在だったが、劇団で商業演劇の劇場を開けるまでには至らず最近は松尾スズキの舞台によく出ていたと思う。テレビの大根仁がそのキャラクターに目をつけて、一人芝居を勧めてこの舞台となった。最期の小劇場劇団時代の出身だが、劇団は始めはショーパブの余興を生業にしていたということで、小劇場にも通じるそう言う空間の藝に、大根は眼をつけたのだろう。あまり無理をしないで、面白い小劇場エンタティメントになっている。
五つのショートコントとその幕間にスクリーンを下ろして映写される赤堀と水澤、松浦の52才のダメ男たちの赤堀の幼友達に会いに行く、というショートフィルムで構成されている。タイトルは「日本対俺」と仰々しいが、うまくかみ砕いて、世間から疎外されている中年男たちの愚かで馬鹿馬鹿しいが、捨ててもおけない鬱憤をお笑いにしている。その案配が、丁度良いところに収まっていて、赤堀も5コマの一人芝居、手慣れた役柄が多いが、神妙に努めて、補助席まで満席の中年主体の客も大満足であった。
そのあり方がいかにも赤堀らしい。しかし、この大成功に乗ってあまりシリーズ化などは考えない方が良いのではないかな。
コントは、サウナで、友達になりたがる男、トイレに行きたい交通整理人、惚けた老父の年金で生きていながら恩あを呼んでしまう男、公園のベンチで昼酒を飲みながら中学生に説教をする男、ゲスト(私が見た回は大久保佳代子)との即席コント