実演鑑賞
満足度★★★★★
人と幻獣、それぞれの側から見た世界、幻獣側からの世界は美しくて可愛くて…人側の世界は個が集団となる怖さ、それぞれの思いと身勝手さが日々の自分を振り返る教訓のよう…
キマイラの差別とガジャタ=ラミンの差別。
2人の考え方の違いが、みんな仲良くを潔くを離し、ちょうどいいところに決断していく。それは真面目に純粋に理想を求めて、幻獣とお話しがしたくて研究して努力して…一方で、繊細な弱さを、優しさを見えない鎧で隠している…それで誤解もされてしまう…そんなガジャタ=ラミンの揺るがない意思の強さが決断させカッコよかった。
そして、幻獣たちの可愛らしさ!の表現の仕方…もちろん、役者が声を発していたり、幻獣を操っているんですが、そこに見えるんですよ。九尾も不死鳥も狸も…全てが!それが人間CGの凄さ!
一番感情移入してしまったのが不死鳥。
不死鳥の一途な想いが切なく、時折魅せる切ない表情や最後の『好きです』
わかっていたから…きっと見守るだけ…それだけでよかったのに…
オットーをジョの2人から助けた瞬間にタガが外れて…思いが溢れてしまった…
そしてガジャタ=ラミンから全てを聞き諦めなくてはという思いを断ち切る囁き…でも、きっとカレンがオットーをかばって撃たれた瞬間、勝てない…って。
どちらの女性の愛情もわかるから切ない!カレンの残してしまう愛する人への気持ちも…不死鳥の思えば思うほどに届かない気持ちも…どちらもわかりすぎて辛いってなりました。
場面が目まぐるしく変わるのに、わかりやすくて、すぐにその場面のそれぞれの役に感情移入できて、全てがとても丁寧に描かれていて、殺陣だけでない。言葉の有無だけでもない。
そんな世界観は素敵な飛び出す絵本を読んでいるようで、大人だけではなく子供たちにも観てもらいたいと思いました。
そして、この話は絵本にもアニメーションにも出来たら素敵だと思うそんな脚本が本当に素晴らしいと思うので、再演して貰いたいしその時は多くの人に子ども達に観てもらいたいです。