実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/09/03 (日)
東京建物Brilla HALLにて ホリプロ『スクールオブロック』を観劇。
売れないロックバンドのギタリストが名門進学校の臨時教師になりすまし、生徒たちにバンドを組ませるストーリー。ここまでロックな楽曲で構成されたミュージカルを観たのは初めてかもしれない…。ストーリーの面白さに加え、惚れ惚れするカッコ良さ。実にエネルギッシュで見応え満点の作品でした。
2003年に公開されたという映画版の『スクールオブロック』は観たことがなかったので、今回の舞台版で初めてストーリーを知ったのですが、破天荒な生きざまの主人公が教師となり、国語、英語、数学などの“学問”とは異なり、通常の学校・教師では教えないような“大事なこと”を生徒達に伝えていくストーリーは、今年3月に観て心を揺さぶられたトム・プロジェクトさんの舞台『ソングマン』にも似た部分があり、今回も非常にメッセージ性が強い作品だと感じました。
いつの時代であっても、秀才、エリートといわれる人生を送る人は一定数いますし、そうなるための努力は凄まじく、当然敬意に値すると思いますが、様々な学問・知識を身に着けることが第一なのかと考えると、決してそうではないと思います。今回のような作品を観ると特にそう感じます。脚本家ジュリアン・フェリウズ氏のコメントにあるように、「私たちが生まれながらに持つ、純粋でアナーキーで恍惚した炎。社会的圧力を感じても、それを育てていくことが大事」というメッセージにはとても共感を覚えました。年齢に関係なく、自身の可能性を信じ、自身の"好き"を追求し、型にハマらず挑戦し続けることは人生の永遠のテーマであるような気がします。でも何事も一人の力だけではどうにもならず、やはり協力し合って助け合って生きていくことも大事であるともつくづく感じました。今回の作品が、一人一人が重要なパーツとなり、一つの音楽を創っていくというロックバンドを映し出した作品であったから尚更そう感じたのかもしれません。
今回はチームコード班の公演を拝見させていただいたので、デューイ役は柿澤勇人さんでしたが、一見すると脱力系のようにも見えつつも、実は熱い魂の持ち主であるという人物像に映りました。独特の雰囲気があり、非常にカッコ良かったです。濱田めぐみさんが演じた完璧な校長先生からの人間らしい一面を見せる後半にかけての流れも良かったです。子供キャスト達の好演も印象的でした。これはエネルギーチャージにはピッタリの素晴らしい作品。やはりロックって良いなぁ、、バンドも良いなぁ、、。興奮・感動が連続するミュージカル作品でした。お見事!