解散ショウ 公演情報 ミノタケプラン「解散ショウ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ホロリ・・
    借金だらけで解散することになった浅草亭一座の最後の公演場所は夢見が丘総合病院での慰問だった。出番前の控え室で織り成す人間模様。終盤に歌う萌にヤラレル。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX


    序盤、コメディにしてはインパクトもなく、笑の芝居がちょっと古い。ダイジョブなの?(・・;)なんつって心配したのもつかの間、そこは登場する濃いキャラクターの面々でどうにかカバーする。苦笑)  しかし、後半からのうねりは流石!泣き所のツボもしっかり掴んで、観客席からのすすり泣きがあちこちから聞こえた。

    控え室ではこれが最後の出番ということもあって、それぞれの胸のうちは複雑だった。出し物は「落語」「ウクレレ漫談」「手品」「漫才」「腹話術」などだ。これらの公演を打つ為に駆けずり回った一座のマネージャーの想いが心を打つ。それでもチャンスに恵まれず一向は解散となり15年の歴史を閉じてしまう。一方、座を抜けてTVの世界に入って成功を収めてる元浅草亭の三角。

    慰問先の病院では座長の元妻が働いており、離婚した後も元妻を忘れられない座長の為に、最後の慰問先をここに決めたマネージャー萌。しかし萌自身は座長に密かに想いを寄せていて献身的に支えてきたのだった。

    これらの人間模様を喜怒哀楽を織り込みながら、沸々と人の心の中に渦巻く真意を魅せる。三角の成功を喜びながらも自分たちの置かれている境遇になにかしら納得出来ないでいる彼ら。しかし、元妻の「誰かの心を楽しませてあげるって凄い事!」という言葉を受けて、彼らの心にも灯が点火する。

    そうして座長は「どんなにつらい事が起ころうが、どんなに悲しい事が起ころうが舞台の上では笑うんだよ。それでお客さんを幸せにしてあげるんだよ。」と自分自身にも戒める。

    これは舞台に関わる人たちが観ると励みになる舞台なんじゃないかな、と思う。きっとどこの劇団でも控え室ではこういった会話はしてるような気がする。そしてワタクシも日頃、こうしてその恩恵にあやかっている。世の中に小劇団が無くなっちゃったら一体どうやって生きていけばいいのか・・・。だからリアルにズン!と響く。

    余命のない患者に園まりの「逢いたくて」を歌ってあげたマネージャー萌の声が美しく悲しみを帯びていた。座長を慕い続けているのに報われない、想いが届かない感情がその調べに乗って、まるで行き先を見失った風のようにシンシンと静かに響く。素敵だった。これほどまでに美しく胸を打つ声を聞いたことがあっただろうか・・?この劇のこの場面が最高の見せ場だったと思う。萌の心情と声に泣けた。観客の心を打つワンシーンだと思う。

    きっと忘れない・・。

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    2010/06/16 11:53

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